2026年7月 | 鈴木仁衣奈×廣木花音「石のエッセンス」

EXHIBITION

ARTISTS

STATEMENTS

鈴木仁衣奈

私は「人以前のヒト」に立ち返る契機を与える絵画を試み制作している。

生命の起源をたどると、ごく小さな微生物まで遡る。生命の進化は途切れることなく現代まで続き、我々人類はその末に立っている。私は、そうして累積されてきた生命史の痕跡や記憶=「生命記憶」が我々の身体の深部に刻まれているのではないかと思う。この記憶は普段意識されるものではないが、何かを契機として無意識に喚起されることがある。例えば、海を見た際に理由のない懐かしさを覚えたり、自然に触れた際に安心感を抱いたりする感覚もその一端ではないかと考えている。

私は、このような生命記憶を彷彿とさせる要素を模索し、色彩・形象・質感として絵画に取り入れることで、言語化以前の触覚的・身体的感覚へ直接働きかけられるのではないかと考えた。現在は、人類の起源と行方を内包した像として構築した「ネオ・プリマトゥス(新霊長類)」と、透明層を幾度にも重ねた画面造形を通し、言語によって規定される以前の「ヒト」としての感覚を想起させることを試みている。

廣木花音

お気に入りのブランケットを肌身離さず、どこにでも連れている友人がいる。毛布は「ねんね」と呼ばれ、彼女と過ごした時間のすべてを表すように、彼女の魂の半分が宿っているような気がした。ねんねに触らせてもらった時、入ってはいけない場所、触れてはいけない部分、立入禁止区域に無邪気に入ってしまったような感じがしてすぐに手を洗って謝って帰りたかった。生き物じみた形相をしていた。心理学において、こうした毛布や玩具は「移行対象」と呼ばれる。私にはそのブランケットが、単なる愛着を超えて、彼女の強固な化身であるように見えた。あの「ねんね」に触れた時の、物質が呼吸をしているかのような感覚。そして、内なる彼女と外の世界を繋ぐ、化身としての強さ。それらは、絵画という物質にも宿らせることができるのではないか。私はその可能性を信じ、制作を続けている。

展示作品

鈴木仁衣奈
《ふたつの殻》/ H727×W910mm / アクリル,メディウム,キャンバス,パネル / 2025年
鈴木仁衣奈
《遭遇》/ H727×W606mm /アクリル,メディウム,キャンバス,パネル / 2026年
鈴木仁衣奈
《泥》/ H140×W180mm / アクリル,メディウム,キャンバス,パネル / 2026年
廣木花音
《Whole-genome analysis/toothache》/ H910×W727mm /綿布,包帯,革糸,シリコーン,アクリル,木炭,ボールペン/ 2026年
廣木花音
《teenager》/ H530×W455mm /アクリル,木炭,シリコーン,綿布 / 2026年
廣木花音
《drowing「pink」》/ H210×W220mm /アクリル,木炭,鉛筆,綿布,画用紙 /2026年

鈴木仁衣奈×廣木花音 2人展「石のエッセンス」会期情報

期間:2026年7月21日(火)〜7月26日(日)
時間:12:00〜19:00(最終受付18:00)
休廊:期間中無休
場所:〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-5-7
電話:022-353-7677
※事前予約は不要です。お気軽にご来廊ください。
作品や会期については、電話022-353-7677または上部ボタン「お問い合わせ」まで

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