GALLERY A8Tでは、これまで東北芸術工科大学芸術学部美術科4年次の作家育成プログラムT.I.P(ティップ/ TUAD INCUBATION PROGRAM)の展覧会を開催し、若手アーティスト支援を行なってきました。
本年度も9月12日(金)〜10月3日(金)の期間で、T.I.P7期生、荒井 佳能(洋画)、蟻塚 唯衣(総合美術)、榮村 莉玖(洋画)、澤井 歩(日本画)、杜鞠(洋画)が、作品を発表いたします。
世界に立ちはだかるさまざまな壁を乗り越えるのか、通り抜けるのか、迂回するのか……。
「世界は弱肉強食なのだろうか」
をテーマにNo.1を目指して勝ち取るだけではない、それぞれの「サバイブ」をT.I.Pの5人が表現します。
会期期間中、9月26日(金)にはアーティストの松田将英さんとT.I.Pがトークイベントを開催。
詳細は決定次第、GALLERY A8TのWEBサイト、SNSで告知いたします。
協力:東北芸術工科大学芸術学部美術科
T.I.Pとは
T.I.P(ティップ / TUAD INCUBATION PROGRAM)は、2019年からはじまった東北芸術工科大学芸術学部美術科4年次の作家育成プログラム/ アートセンターです。専門性を超えて学びたい学生を対象に公募を行い、選抜された学生には所属するコースとは異なる教員やゲストから指導を受ける体制や、広い共同アトリエが用意されます。学生たちは、ディレクター教員によるマネジメントのもと、1年間の学内外での活動(展覧会、イベント、共同制作など)を主体的かつ利他的な視点をもって行うことで、自身の専門性を見つめ、拡張し、さまざまな他者との協働のありようも育んでいくのです。新しい技術の誕生や社会の変化によって美術の領域で活動するための方法論を、ともに実践的に学ぶための共同体です。
2025年度T.I.Pディレクター:村上滋郎(美術科洋画コース准教授)、小金沢智(美術科日本画コース准教授)
参加メンバー

荒井 佳能 Yoshitaka Arai
宮城県仙台市出身
宮城県名取市北高等学校卒業(2022)
東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース在籍
<主な展示>
・個展「からあげカレーに秕」/石巻のキワマリ壮/宮城(2025)
・京都芸術大学・東北芸術工科大学合同学内選抜展DOUBLE ANNUAL 2025「アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omunium-gatherum」/国立新美術館 展示室3A/東京(2025)
・「ディファレント京町堀アートフェア2024」/安田ビル/東京(2024)
・「美しい時間Part3」/ギャラリイK/東京(2024)
<主な受賞>
・「第3回KYOBASHI ART WALL-ここから未来を始めよう-」奨励賞/2023
・「Liquitex SQUARE ART COMPE」進藤やす子賞/2023
・「Liquitex SQUARE ART COMPE」中村桂子賞/2022
<STATEMENT>
アートとデザインの横断的なアプローチで制作を行い、絵画を中心に、グラフィック・インスタレーション・サウンドなど表現は多岐にわたる。絵画ではドローイングをベースに制作を行いドローイングを「自己を透過する解体装置」と位置付けている。近年では、人間が生活を営む上で生じるコミュニケーションの構造について研究している。ドローイング=自己として、他者やコミュニティとの接続を試みる。

蟻塚唯衣 Yui Aritsuka
青森県弘前市出身(2003)
青森県立弘前中央高等学校卒業(2022)
東北芸術工科大学芸術学部美術科総合美術コース在籍
<主な展示>
・「てざわりの地層-Strara of Touch」/ ForEver/東京(2025)
・「むこうがわのこちらがわ」/ギャラリーまんなか/青森(2023)
・個展「inside out」/ ジョグジャスペース/Sàn Art/ベトナム・ホーチミン(2022)
<主な受賞>
・「Giải thưởng nghệ thuật SAN」/2022
<STATEMENT>
語りえぬものの先にあるコミュニケーションの姿への興味を主軸に創作活動を行なっている。社会において当たり前に機能する言語や人間関係といったシステムを解きほぐし、発話され関係として結ばれる前の「感覚や記憶」に基づくコミュニケーションのあり方を探求している。言葉では語れない感覚的なコミュニケーションを可視化することで、「なぜ人間は人間であり続けることができるのか」を制作や自身をもって取り組んでいる。

榮村莉玖 Riku Eimura
北海道札幌市出身(2003)
札幌大谷高等学校卒業(2022)
東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース在籍
<主な展示>
・京都芸術大学・東北芸術工科大学合同学内選抜展DOUBLE ANNUAL 2025「アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omunium-gatherum」/ 国立新美術館 展示室3A/東京(2025)
・「EPIC PAINTERS Vol.13」/THE blank GALLERY/東京(2024)
・個展「CONNECTION」/ 新宿眼科画廊/東京(2023)
・「TOHOKU POP OUT-東北から飛び出す表現を見て、感じる仙台 PARCOの芸術の秋-」/仙台PARCO 本館6F/仙台
<主な受賞>
・「2024年東北芸術工科大学 2年生進級展」優秀賞/2024
<STATEMENT>
生活とアートの境界線を探りプロジェクトベースでのアート表現に挑んでいる。現生人類の旅路と相似させ屋外へ向けられた視点と出逢いから発生する共同体としての営みを絡ませる事で起こる現象を表現の動機としている。
そのため、手法は多岐に渡り、個と公の観点から生み出された絵画や彫刻、映像などがある。近年は特にインタラクティブな状況を求めアート活動を展開し、コレクティブ集団「Modern Angels」のリーダーとして各地で実験的な表現を試みている。その成果として、国立新美術館で開催された「DOUBLE ANNUAL 2025」(片岡真実氏監修)への選出や、インドネシアでのアーティスト・イン・レジデンスへの参加予定などがある。「家族」という人間活動の基本単位に着目し、それを主題に日本各地を巡り、地域社会との対話や共創を重視した場づくりへと活動を発展させている。
「Modern Angels」は、2022年に山形で発足したアーティスト・コレクティブ。これまでメンバーの変遷を経ながら、「いきること・さまざまなものにあたること・ばったりとでくわすこと」をコンセプトに、「いき あたり ばったり」をテーマに活動してきた。

澤井歩 Ayumu Sawai
徳島県徳島市出身(2004)
徳島市立高等学校卒業(2022)
東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース在籍
<主な展示>
・「離れると隔てる」/ 仙台SARP/仙台(2025)
・「ホットサンダル作品展覧会未来の収穫祭」/丸亀生涯学習センター/香川(2023)
・「『秋の讃歌』展vol.6」/ 東京九段耀画廊/東京(2022)
<主な受賞>
・「2024年東北芸術工科大学 2年生進級展」優秀賞/2024
<STATEMENT>
日本のこれからの暮らしの中に美術があればいいなと思う。
日本絵画の文脈である屏風や襖絵などの「障壁画」などの「床の間芸術」を現代に適応させて復活させることができたとしたら、現代の日本家屋に美術の「居場所」を確保するという願いは叶うのではないかと考えている。
日本の家屋には、そもそも壁面が少ない。戦後の住宅は気密性が高くなったが湿潤な日本の気候では窓が大きくとられ、わずかに残った壁面にも箪笥や本棚が置かれる始末である。江戸時代までの日本家屋には今日のような「家具」が存在しなかった。畳や襖などは家屋に組み込まれており、収納も押し入れなどにするからである。
以上のことから戦後の日本住宅公団や公営住宅を中心として採用されたLDKのシステムでは、日本の建築と絵画の相性が非常に悪く日本の住宅から美術が消えていったと言える。
戦後、「家具」や「窓」に狭められた日本の家屋は日本画の現状のパネルの形式や屏風などでは「居場所」を作ることは困難である。
そこで、これからの私は戦後の住宅で大きくなった「窓」に着目し、「ブラインド絵画」を提唱していく。

杜鞠 Tomari
神奈川県横須賀市出身(2001)
神奈川県立七里ガ浜高等学校卒業(2020)
東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース在籍
<主な展示>
・京都芸術大学・東北芸術工科大学合同学内選抜展「DOUBLE ANNUAL 2024〜瓢箪から駒 ちぐはぐさの創造性〜」/ 国立新美術館 展示室3A/東京(2024)
・個展「君が見たもの」/SARP仙台アーティストランプレイス/仙台(2022)
・佐々木万志帆・杜鞠二人展「綯いまぜ」/ 美学校ギャラリー/東京(2022)
<主な受賞>
・京都芸術大学・東北芸術工科大学合同学内選抜展「Double Annual2024」選抜/2022
・「ターナーアワード2022」入賞/2022
<STATEMENT>
コンセプト「身体の再獲得」。誰かに名付けられた体ではなく、自分で選んだ体で存在したい。そしてこの体が確かに存在していることをあなたに示したい。風景の中に散らばった意識を拾い集め、絵画を一つの肉体のように息づかせることを目指している。
展示作品





争い、No.1を目指すのみではありません。融合する、真っ向から戦う、隠れる、循環するー今この時間も、次々と技術進化が進み、あの国境では人が争い続け、生きているだけでも課題は次々と立ち現れてきます。
バックグラウンドは違えど東北に集い表現している私たちな、この世界にどのように呼応し進んでいくのか。
その一歩と共に、ご自身の「サバイブ」を考える手がかりとなれば幸いです。
T.I.P×松田将英トークイベント開催「Stories of Value-アート作品における売買について-」


アート作品は、表現であると同時に「取引されるもの」でもあります。本イベントでは、現役アーティスト・松田将英と美術大学生のT.I.P7期生が一堂に会し、宮城県仙台市という舞台で、アートの売買をめぐる価値観や体験を共有します。作品が市場に出るとき、どのように「価格」が生まれ、どのように「価値」が語られるのか。創作とマーケットの接点について、世代や立場を超えた視点から探ります。
●松田将英( Shoei Matsuda)
1986年神奈川県生まれ。ベルリン、神奈川県在住。SNS時代の匿名メディア・アクティビストとして頭角を現し、現在は実名で活動する現代美術家。ソーシャルメディア以降の主体や作者性を問い直すものであり、直接的に都市や社会に介入することで新たな共同性を作り出す実践として高い評価を受けている。主な展覧会として、「『Great Reset』ーポスト太陽フレア時代における再起動プロトコルー」(マイナビアートスクエア、東京、2025)、「DXP2」(金沢21世紀美術館、石川、2024)、「超現代美術展」(会場非公開、東京、2020)など。
WEBサイト
イベントDATA
登壇者|松田将英、T.I.P7期生(荒井佳能/蟻塚唯衣/榮村莉玖/澤井歩/杜鞠)
日程|2025年9月26日(金)
時間|17:00〜18:00
場所|GALLERY A8T
参加費|無料
※専用駐車場はございません。お車でお越しの方は近隣の有料駐車場をご利用ください。
作家在廊
・メンバー全員在廊予定…9/19(金)、26(金)
・荒井…9/12(金)、17(水)、19(金)、20(土)、26(金)、29(月)、10/2(木)、3(金)
・蟻塚…9/12(金) 、16(火)、19(金)、26(金)、29(月)
・榮村…9/18(木)、19(金)、26(金)
・杜鞠…9/12(金)、14(日)、18(木)、19(金)、24(水)、25(木)、26(金)、10/1(水)、2(木)
・澤井…9/17(水)、19(金)、20(土)、26(金)
予定は変更になる場合もございます。追加日がありましたら都度、お知らせいたします。
東北芸術工科大学 T.I.P7期生企画展「サバイブ」会期情報
展示期間:2025年9月12日(金)〜10月3日(金)
時間:12:00〜19:00(最終受付18:00)
休廊:9/15(月・祝)、21(日)、23(火・祝)、27(土)、28(日)
場所:〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-5-7
℡:022-353-7677
※事前予約は不要です。お気軽にご来廊ください。
作品や会期については、電話022-353-7677または下部ボタン「お問い合わせ」まで


